梅雨~夏に向けて湿度が高い日が続きますね。
この時期に気になるのが「カビ」です。
一言に「カビ」と言っても様々な種類がありますし、一見分からないところに潜んでいるので注意が必要です。
今回は、そんなジメジメした季節に発生する「カビ」による健康被害と対策などをまとめました。
カビは健康にどのように影響するの?
「カビ」と聞くとあまり良いイメージはないと思いますが、実はカビは味噌や醤油・チーズやワインなどの発酵に必要なものなど便利な側面もあります。
カビの正体とは、微生物であり「真菌」と呼ばれることもあります。
ですが「カビ」の中にはもちろん健康被害を引き起こす、有害なカビがいるのも事実です。
特に、良く目にする汚れのような黒カビはわたしたちの暮らしや体に悪影響をもたらします。
では、なぜ「カビ」は体に悪いといわれているのでしょうか。
それは「カビ」の胞子を大量に吸い込んでしまうことで健康被害が起こるためです。
カビを吸い込むことで起こる症状
カビの胞子を大量に吸い込むことで、呼吸器や肌に「アレルギー症状」が出ることがあります。
どのような症状が出るのか見ていきましょう。
①夏型過敏性肺炎
アレルギーが原因で、梅雨から夏場のカビが増える時期にかけて発症します。
この肺炎の発症原因の70%程度が「トリコスポロン」というカビです。
他にも、化学物質を頻繁に吸ってしまうことでも起きます。
夏風邪と同じような「発熱」「空咳」「のどのイガイガ」「息切れ」のような症状が出ます。
治療は抗生物質投与が必要になりますので、発熱が無くても長引く夏風邪だと思ったら病院で一度診てもらうのがいいでしょう。
②アレルギー性鼻炎
花粉症同様カビでもアレルギー性鼻炎がおこる人がいます。
湿った場所で鼻水・鼻づまり・くしゃみが起きたら、カビが原因かもしれません。
③気管支肺アスペルギルス症
こちらは「アスペルギルス」というカビを吸い込むことで起こります。
吸い込んだカビが体内(肺部分)で増えることにより呼吸をしにくくさせます。
免疫力が下がっていたり、このカビに対してのアレルギー反応で起こります。
症状は「咳や痰」「息切れ」など、喘息ととても似ています。
④シックハウス症候群
もし、自宅に帰るといつも「倦怠感」や「頭痛」「めまい」などに襲われるようでしたら、それは家の建材や家具に含まれる化学物質やカビが原因かもしれません。
他にもカビは皮膚炎や水虫などの原因になり、アオカビの作る毒には「肝臓がん」や「腎臓がん」の原因になるものまであります。
カビが発生する原因と環境条件をチェック
カビが発生する原因は基本的に「高い温度」と「高い湿度」です。
部屋の環境がそうなっていないかチェックしてみましょう!
①カビの生えやすい温度
カビの胞子は室内の壁など色々な表面に付着し、5~35度の温度の中で育っていきます。
育つ温度だけで見ると、日本ではほぼ1年中カビが育つ環境と言えますね。
特に25度~28度くらいがカビの発生にはベストな気温となります。
②カビの生えやすい湿度
カビは高湿度が大好きで、湿度60%を超えるあたりから繁殖・発生しやすくなり、80%を超えると加速度的に繁殖します。
湿度が高まると成長も早くなるので、湿度が高くなりやすい浴室などは発生しやすくなるのです。
ホコリやゴミがカビの原因に
温度と湿度意外にも、カビが発生するには「栄養」が必要となります。
家の中のほこりや建材・ダニなどなんでも栄養にしてしまいます。
カビが発生しやすい場所とは
先ほども説明しました通り、カビは湿度を好みます。
ですので、水回りに多く見られます。
トイレ、浴室、洗面所、キッチンなどです。
ですが、クローゼットなどの収納や寝具の裏側、タンスなど重い家具の裏など風通しが悪く湿度が上がりやすいじめっとした場所にもよく発生します。
ほこりなども溜まりやすく、カビにとっては栄養豊富で住み心地が良いのです。
また、エアコン内部や冬場の結露した窓のサッシなど、現代の日本の住まいは気密性が高くなり、季節に関係なく室内にカビが発生しやすくなっています。
カビを発生させないための対策
カビを発生・繁殖させないためには、温度・湿度・栄養源を揃えないことがとても大切です。
特に、湿度は対策が可能でカビの活動を最も左右するものなので意識しましょう!
湿度を下げる
カビは湿度60%以下でほぼ繁殖・成長できなくなります。
湿度を常にわたしたち人間が快適な状態にしておけば良いのです。
そのためには窓を開けてしっかりと換気をしましょう。
朝一番以外にも、天気のいい日はこまめに換気し部屋の空気を入れ替えましょう。
梅雨時などジメジメしやすい季節には「除湿器」を使ったり、エアコンの「ドライ機能」がおすすめ!
室温を下げる
できれば25度以下の室温が好ましいです。
ですが、カビが発生・繁殖しやすい梅雨や夏は25度以下に室温を下げると、逆に体調を壊してしまったりする可能性があるのでまずは湿度を下げることを意識していきましょう。
部屋を掃除してキレイに
最後に、カビの栄養源であるほこりをできるだけ無くしていきましょう。
そのためには部屋の隅まで掃除し、ほこりを除去することです。
掃き掃除や掃除機掛けが終わったら、拭き掃除をしてピカピカにするのが望ましいですね。
カビをしっかり落とせる掃除の方法とポイント
それぞれの場所別掃除方法もご紹介します。
しっかり掃除すればカビを見なくなるので、ポイントを抑えて掃除しましょう!
【お風呂場・洗面所のカビ】
お風呂場に発生して時間が余り経っていない黒カビには「クエン酸」と「重曹」で落とすことができます。
水分を拭き取ったらクエン酸を吹きかけ、上から重曹パウダーをふりかけブラシでこすり水で流します。
時間が経ってしまったら、塩素系の漂白剤を使いましょう。
繰り返し黒カビが発生してしまう場合には、天井や換気扇に付着している場合があるので要チェック。
お風呂場や洗面所の赤カビはスポンジで簡単に落とすこともできます。
繁殖スピードが速いのでこまめに掃除しましょう。
もし、スポンジで落ちなかったら市販のカビ用洗剤で落とせます。
また、カビを防ぐ燻煙などを定期的に行うのもカビ予防になります。
【キッチンの汚れとカビ】
キッチンの汚れには「クエン酸」がオススメです。
クエン酸は殺菌効果があるのでカビが生えやすい排水溝の掃除にも効果的。
梅雨時に多い、シンクの中に発生したカビはメラミンスポンジで掃除できます。
また、使い終わった水出し麦茶や緑茶のパックを捨てる前にカビ取りスポンジ代わりにササっとこすって掃除に使うことができます。
最後はしっかりとお湯で流しましょう。
また、夏場によく登場する「麦茶ボトル」ですが、こちらも白カビが発生しやすいって知っていましたか?
白いぽつぽつがあった場合、白カビかもしれませんし水道水のカルキかもしれないのです。
実際には見分けがつきにくいのですが、気になるのでどちらだったとしても洗える方法をご紹介します。
・食器洗いのスポンジに重曹パウダーを付けてこすり洗いする
・キッチン漂白剤を溶いたお湯に半日~1日つけて、その後軽くこすり洗いする
【クローゼットや押し入れのカビ】
1にも2にも換気!ですが、収納する前に市販の防カビ剤や除湿剤を置くのが良いでしょう。
こちらは定期的に交換することが大切です。
衣類にカビが生えてしまったら、塩素系漂白剤でつけ置き後洗濯機で洗うのがベストです。ですが、スーツなど洗えないものはブラッシング後エタノールスプレーをして叩いて拭き取りしっかりと外干ししましょう。
クローゼット内のカビは、エタノールやクエン酸スプレーし拭き取ると取れます。
もし、取れなければ塩素系漂白剤を薄めて雑巾にしみこませ拭き取りましょう。
乾拭きも忘れずに行いましょう。
その後再発生させないために、換気はしっかりとしておきましょう。
まとめ
今回は、カビの健康被害と症状・対策についてご紹介しました。
梅雨から夏にかけて湿度が高くなると繁殖スピードが速くなるカビですが、正しい知識を知っておくことで発生の予防につながります。
なるべく換気をし湿度を下げ、こまめな掃除でこの時期を乗り越えましょう!