普段しない運動をした後にやって来るつらい筋肉痛。
特に普段やらない激しい運動をすると、数日間筋肉痛に苦しむこともありますよね。
学生時代は翌日に現れてすぐに消えた記憶のある筋肉痛も、最近は筋肉痛が現れるのも治るのも遅くなったと感じませんか。
実はその原因は年齢だけではないのです。
今回はそんな筋肉痛がなぜ引き起こされるか、そしてその解消法をまとめました!
なぜ?筋肉痛になるメカニズム
普段の生活であまり使わない筋肉を使ったり、トレーニングなどで同じ動作を繰り返した時に「筋繊維」に細かい傷が付きます。
その傷を修復する際に炎症により「ブラジキニン」や「ヒスタミン」、「アセチルコリン」などの痛み物質が発生し、その状態を『筋肉痛』と呼びます。
筋肉の痛みには2種類あり、それが「即発性筋痛」と「遅発性筋痛」です。
即発性筋痛
「即発性筋痛」は「急性筋肉痛」とも呼ばれています。
運動をした直後や、運動最中に起こる筋肉痛です。
激しい運動が原因で体内の血の巡りが悪くなり、筋肉の代謝物質である「水素イオン」が溜まりやすくなることで起きる痛みです。
遅発性筋痛
「遅発性筋痛」は運動をした数日後に起きる筋肉痛です。
いわゆる一般的に『筋肉痛』と呼ばれる痛みで、筋肉を伸ばそうとする「伸張性運動」時に負荷がかかると筋繊維が傷つきやすくなり痛みが出ます。
具体的に言うと、重いものを下ろす動作や階段の上り下りなどの動作を行った時です。
一般的に「歳をとると筋肉痛が出るのも治るのも遅くなる」と言われていますが、実は医学的には証明されていません。
普段あまり運動せずに筋肉を使わないと、毛細血管が発達しなくなり血流の循環も悪くなるので、痛みが出るのに時間がかかるのです。
年齢を重ねると運動をあまりしなくなることや、血液の循環機能低下によってこのように言われているのではないかと考えられます。
筋肉痛の解消方・なおしかた
つらい筋肉痛ですが、なかなか治らないものですよね。
ここでは、簡単に出来てすぐに効果が現れるような方法をまとめていきます!
筋肉痛の対処・処置法
基本的に更に筋肉を傷める可能性のある運動は避けてください。
①
日常生活に支障が出るほどの強い痛みの筋肉痛の場合は、まずは氷のうで冷やしたりアイシングスプレーなどで冷やすと良いでしょう。
冷やす時間は15分ほどで大丈夫です。
2~3時間おきに15分ほどアイシングしてください。
②
腫れがある場合は横になり、患部を心臓より高く上げると腫れが引きやすくなります。
むくみ等でも効果的な方法ですが、これは血液の流れがよくなったり水分が引いたりするためです。
この段階ではとにかく痛みのある部分を休めましょう。
数日しても痛みの強い状態が続いたら、筋肉痛ではない可能性もあるので病院へ行き診療してもらいましょう。
③
少し痛みが治まってきたら、血流を良くして疲労物質を流しましょう。
38~40度くらいのお風呂に浸かって痛くない程度に軽くさすったり揉んだりしてマッサージをしたり、痛みのある部分を少しずつ伸ばしてストレッチをするのもいいですね。
患部を温めるのがとても効果的。
食べ物で筋肉痛を治す
食品でも筋肉の疲労物質を流すお手伝いをしてくれるものがあります。
それがクエン酸です。
血液をサラサラにしてくれるクエン酸は疲労物質を流しやすくしてくれ、継続的に摂取することで日常生活や運動後の疲労感を軽減する働きがあります。
レモン汁を常温のお水に入れて飲んだり、梅干しを食べるなどは手軽な方法でクエン酸が摂れるのでオススメです。
また、筋肉の成長に欠かせない「タンパク質」が多く含まれる食品を摂ることもとても大切です。
筋肉痛が起きるほどの運動をしたあとは、特に多くのタンパク質が体の中で必要になっています。
タンパク質を摂取できる食品の中でも、ささみ・大豆や豆腐などの豆類・牛乳などはタンパク質を効率よく合成させるためのビタミンやミネラルも豊富に含みます。
またご飯・イモ・バナナなどから糖質もしっかりと摂りましょう。
糖質を摂取しないと筋肉分解が起きてしまい体は筋肉の中からエネルギー源を作り出そうとして、負担になります。
重要なのは睡眠
そしてセルフケアで一番大切なのは睡眠です。
眠っている時に出る「成長ホルモン」は、体の細胞の修復をしてくれる働きがあります。
つまり筋繊維の修復のためには、しっかりと睡眠をとりたくさんの「成長ホルモン」を分泌させることが必要不可欠なのです。
体を休めてなるべく早く筋肉が回復するのを待ちましょう。
オススメの筋肉痛・疲労回復グッズ
何をしても筋肉痛が痛くてたまらない!と言う人には外用薬を使いましょう。
外用薬は、皮膚から効き目が体内に入り効果を発揮します。
あくまでも医薬品ですので、回数や枚数を守って正しく使用してください。
また張り薬にも飲み薬同様年齢制限があるものもありますのでご注意ください。
筋肉痛に効く「外用薬」は、大きく「貼るタイプ」や「塗るタイプ」の2つに分かれます。
貼るタイプの薬
「貼るタイプ」は一度貼れば長時間効き目が持続するのが特徴です。
入浴前などにはがす手間があることと、人によっては剥がす時に痛みがあること、長期間同じ場所に張り続けると「かぶれ」を起こしてしまう可能性があるというデメリットがあります。
肌が弱い人は気を付けましょう。
夏場は場所によっては見えてしまうので、気になる方もいるかも。
「ジクロフェナク」や「インドメタシン」「フェルビナク」「ロキソプロフェンナトリウム」の鎮痛作用成分が入っている貼り薬は優れた効果を発揮します。
塗るタイプの薬
液体・ジェル・クリーム・軟膏など様々な種類がありますね。
基本的には、軟膏>クリーム>ジェル>液体の順で患部にとどまりやすくなり効果を発揮してくれます。
ですが、留まるという事はそれだけべたつきやすい質感になっています。
太ももや腰など比較的洋服に直接付く部位に関しては付け心地がサラッとした液体やジェルタイプなどがおススメです。
季節などでジェルとクリームを使いわけるのも良いでしょう。
効き目の持続は貼り薬よりは劣ることが多いですが、においも気にならずこまめに塗りなおすことができれば問題ありません。
また、外用薬には温めるタイプの温シップなどもありますが、筋肉痛によるひどい痛みがある場合には、患部を冷やすタイプや鎮痛成分のあるものを使いましょう。
その他の筋肉痛に効くアイテム
血行促進してくれる漢方「葛根湯」も筋肉痛に効果があります
筋繊維を回復促進してくれるビタミンB1が摂れるビタミン剤もオススメ。
筋肉痛は予防が大切・ならないための方法とは
筋肉痛は少しの工夫で予防することができます。
食事
例えば食事です。
運動前には、筋肉の修復や成長に欠かせない「タンパク質」や、筋肉修復促進・エネルギー効率を高めるビタミンB1を積極的に摂りましょう。
筋肉内のエネルギー燃焼をしてくれるアミノ酸を運動前に摂ることも予防策です。
ウォーミングアップ・事前運動
ウォーミングアップも大切です。
筋肉に突然大きな負荷をかけることを避けて、ストレッチで筋肉を伸縮させたり軽くジョギングやウォーキングして体を慣らしましょう。
ラジオ体操などの軽い体操をウォーミングアップに取り入れてもいいですね。
運動後のケア
運動後のクールダウンも筋肉痛予防には欠かせません。
軽くその場で足踏みをしたりして徐々に運動量を落とします。
そして運動後には使った筋肉を伸ばして数十秒止まってストレッチをします。
体がまだ温かいうちに行いましょう。
運動をした日に、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることも血行を良くしてくれるので効果的です。
特に疲れた部分を湯船でマッサージしておくと、筋肉痛に発展する前に予防できます。
普段から運動して慣らす
ウォーキングなど普段から全身を動かす有酸素運動をすることも有効です。
有酸素運動を習慣にすることで、筋繊維の太さを維持し毛細血管を閉じにくくさせると予防になります。
毛細血管の隅々まで酸素や栄養素を行き届かせることで筋肉痛の予防以外にも、末端冷え性の改善など嬉しいことがたくさんあります。
まとめ
筋肉痛は、体からのSOSです。
痛みがひどいときはなるべく休養し、筋肉を回復させることを優先させましょう。
大切なのは「普段から適度に体を動かしておくこと」「運動を行うときは急激に行わずに徐々に行うこと」です。
タンパク質を意識したバランスの良い食事と、日常の適度な運動、しっかりと休養をとる生活を送ることも重要です。
少しの工夫で筋肉痛を予防することができるので、ぜひ運動前後にストレッチなど予防法を取り入れて楽しく運動してみてくださいね。