健康診断の結果数値の見方と対策【数値の見方偏】

健康診断

健康診断の結果を受け取ったものの数字の羅列で検査値の見方が分からない、といった経験はありませんか。
各項目の見方が分かれば、どこに気をつければいいのかが見えてきます。
この記事では具体的に、健康診断結果の数値の見方と健康のための改善策について解説していきます!
※基準値は、公益社団法人日本人間ドック学会が公表している数値を参照しています。
量が多いので心配な部分のみ目次からとぶと便利です。

健康診断の結果を受け取ったものの数字の羅列で検査値の見方が分からない、といった経験はありませんか。
各項目の見方が分かれば、どこに気をつければいいのかが見えてきます。
この記事では具体的に、健康診断結果の数値の見方と健康のための改善策について解説していきます!
※基準値は、公益社団法人日本人間ドック学会が公表している数値を参照しています。
量が多いので心配な部分のみ目次からとぶと便利です。

↑こちらの記事で、健康診断で悪い結果が出た場合の対策改善方法をまとめていますので、あわせてお読みください。

身体計測

【BMI値】
BMI値は身長に見合った体重かどうかを判定する数値です。
「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で算出します。

18.4以下(低体重・要注意)、18.5~24.9(基準範囲)、25.0以上(肥満・要注意)
(単位 kg/m2)

【腹囲】
腹囲の数値はメタボリックシンドロームを判定するための基準となります。

男性:84.9以下(基準範囲)、85.0以上(内臓脂肪型肥満)
女性:89.9以下(基準範囲)、90.0以上(内臓脂肪型肥満)
(単位 cm)

血圧

血圧値によって心臓のポンプ機能が正常に働いているか、また高血圧・低血圧かを判断します。
心臓が収縮したときの血圧が収縮期血圧で「上の血圧」と呼ばれます。
一方、心臓が拡張しているときの血圧が拡張期血圧で「下の血圧」と呼ばれます。

収縮期血圧:129以下(基準範囲)、130~159(要注意)、160以上(異常)
拡張期血圧:84以下(基準範囲)、85~99(要注意)、100以上(異常)
(単位 mmHg)

視力検査

眼の病気がないのに裸眼視力が 0.7 未満の場合は近視・乱視の疑いがあります。

1.0以上(基準範囲)、0.7~0.9(要注意)、0.6以下(異常)

聴力検査

左右それぞれの耳に対し、1000Hz(低音)と4000Hz(高音)について30dB以下の音が聞こえるかを調べます。
それ以上でなければ聞こえない場合は、難聴や中耳炎などが疑われます。

1000HZ:30dB以下(基準範囲)、35dB(要注意)、40dB以上(異常)
4000HZ:30dB以下(基準範囲)、35dB(要注意)、40dB以上(異常)
(単位 dB デシベル)

呼吸機能検査

大きく息を吸ったり吐いたりして呼吸機能を評価する検査です。

【肺活量】
ゆっくりと呼吸をして息を最後まで吐き切ったところから、胸いっぱい息を吸い込んだところまでの空気を吸える量のことです。
性別、年齢、身長から算出された予測肺活量に対して何%であるかを調べます。
低下している場合は、肺の硬化や胸の変形や肺の容積が小さくなっていることが考えられ、間質性肺炎や肺線維症などが疑われます。

80.0以上(基準範囲)、79.9以下(異常)
(単位 %)

【1秒率】
息を最大に吸い込んでから一気に吐き出したとき、最初の1秒間に何%の息を吐き出せるかを調べます。
低下している場合は気道が狭くなっていることが考えられ、肺気腫や慢性気管支炎などが疑われます。

70.0以上(基準範囲)、69.9以下(異常)
(単位 %)

血液検査

<肝臓系検査>

【総タンパク】
血液中の総たんぱくの量を表します。
数値が低い場合は栄養障害、ネフローゼ症候群、がんなど、高い場合は多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水などが疑われます。

6.1以下(異常)、6.2~6.4(要注意)、6.5~7.9(基準範囲)、8.0~8.3(要注意)、8.4以上(異常)
(単位 g/dL)

【アルブミン】
アルブミンは、血液中に最も多く含まれているたんぱく質です。肝臓で合成されるため、肝機能の評価に用いられます。
数値が低い場合は、肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群などが疑われます。

4.0以上(基準範囲)、3.6~3.9(要注意)、3.5以下(異常)
(単位 g/dL)

【AST(GOT)と ALT(GPT)】
AST(GOT)は、心臓、筋肉、肝臓に多く存在する酵素です。
ALT(GPT)は肝臓に多く存在する酵素です。
肝細胞に障害が起こっている場合は検査値が高くなり、急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝臓がん、アルコール性肝炎などが疑われます。
またAST(GOT)のみが高い場合は心筋梗塞、筋肉疾患などが疑われます。

AST(GOT):30以下(基準範囲)、31~50(要注意)、51以上(異常)
ALT(GPT):30以下(基準範囲)、31~50(要注意)、 51以上(異常)
(単位 U/L ユニットパーリットル)

【γ-GTP】
γ-GTPは、抗酸化物質グルタチオンを分解する酵素です。グルタチオンは活性酸素を消去したり異物を解毒したり生体に好ましい働きがあります。
血中の数値が上昇する原因は主に肝臓に起因すると考えられ、アルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害が疑われます。

50以下(基準範囲)、51~100(要注意)、101以上(異常)
(単位 U/L)

<腎臓系検査>


【クレアチニン(Cr)】
アミノ酸の一種であるクレアチンが代謝された後の老廃物量を調べます。筋肉量が多いほどその量も多くなるため、男性は女性より数値が高くなります。
腎臓でろ過されて尿中に排泄されるものですが、数値が高いと腎臓機能の低下が疑われます。

男性:1.00以下(基準範囲)、1.01~1.29(要注意)、1.30以上(異常)
女性:0.70以下(基準範囲)、0.71-0.99(要注意)、1.00以上(異常)
(単位 ㎎/dL)

【eGFR(イージーエフアール)】
クレアチニンより精度の高い腎臓機能の指標です。クレアチニン値を性別、年齢で補正して算出します。
数値が低いと、腎臓の機能が低下していることが疑われます。

60.0以上(基準範囲)、45.0~59.9(要注意)、44.9以下(異常)
(単位 mL/分/1.73㎡による)

<尿酸(UA)>

尿酸はたんぱく質の一種であるプリン体が代謝された後の、残りかすのようなものです。
この検査では尿酸の産生・排泄のバランスがとれているかどうかを調べます。
高い数値の場合は、高尿酸血症といいます。
高い状態が続くと結晶として関節に蓄積され、関節痛(痛風発作)を引き起こすことがあります。他にも腎機能障害により、尿路結石が作られるリスクが高まります。

2.0以下(要注意)、2.1~7.0(基準範囲)、7.1~8.9(要注意)、9.0以上(異常)
(単位 ㎎/dL)

<脂質系検査>

【HDLコレステロール】
善玉コレステロールと呼ばれるものです。血液中の悪玉コレステロールを回収する働きがあります。
数値が低いと、脂質代謝異常や動脈硬化が疑われます。

34以下(異常)、35~39(要注意)、40以上(基準範囲)
(単位 ㎎/dL)

【LDLコレステロール】
悪玉コレステロールと呼ばれるものです。
量が多すぎると血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性を高めます。

59以下(異常)、60~119(基準範囲)、120~179(要注意)、180以上(異常)
(単位 ㎎/dL)

【中性脂肪(TG)(トリグリセリド)】
体内の中で最も多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。
数値が高いと動脈硬化を進行させ、逆に低いと低βリポたんぱく血症、低栄養などが疑われます。

29以下(異常)、30~149(基準範囲)、150~499(要注意)、500以上(異常)
(単位 ㎎/dL)

【Non-HDLコレステロール】
総コレステロールからHDLコレステロールを引いた「差」で、HDLコレステロール以外の全てのコレステロールを表します。
この数値は、動脈硬化などのリスクを総合的に管理できる指標です。
数値が高いと、動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高脂血症などが疑われます。低い場合は、栄養吸収障害、低βリポたんぱく血症、肝硬変などが疑われます。

89以下(異常)、90~149(基準範囲)、150~209(要注意)、210以上(異常)
(単位 ㎎/dL)

<糖代謝系検査>

【血糖値(FPG)】
糖とは血液中のブドウ糖のことを指し、エネルギー源として全身に利用されます。
測定された数値により、ブドウ糖がエネルギー源として適切に利用されているかが分かります。
数値が高い場合は、糖尿病、膵臓癌、ホルモン異常が疑われます。

99以下(基準範囲)、100~125(要注意)、126以上(異常)
(単位 ㎎/dL)

【HbA1c(NGSP)】
HbA1c(ヘモグロビン・エーワン・シー)は、過去1~2ヵ月の平均血糖値が反映されるため、糖尿病のコントロールの状態が分かります。
また空腹時血糖(FPG)が126mg/dL以上かつHbA1c 6.5%以上なら糖尿病と判断されます。

5.5以下(基準範囲)、5.6~6.4(要注意)、6.5以上(異常)
(単位 %)

<血球系検査>

【赤血球(RBC)】
赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。
赤血球の数が多すぎれば多血症、少なすぎれば貧血が疑われます。

【血色素(Hb)(ヘモグロビン)】
血色素とは赤血球に含まれるヘムたんぱく質で、酸素の運搬役を果たします。
減少している場合、鉄欠乏性貧血などが考えられます。

男性:12.0以下(異常)、12.1~13.0(要注意)、13.1~16.3(基準範囲)、16.4~18.0(要注意)、18.1以上(異常)
女性:11.0以下(異常)、 11.1~12.0(要注意)、12.1~14.5(基準範囲)、14.6~16.0(要注意)16.1以上(異常)
(単位 g/dL)

【ヘマトクリット(Ht)】
血液全体に占める赤血球の割合をヘマトクリットといいます。
数値が低ければ鉄欠乏性貧血などが疑われ、高ければ多血症、脱水などが考えられます。

【MCV・MCH・MCHC】
MCVは赤血球の体積を表します。
MCHは赤血球に含まれる血色素量を表します。
MCHC赤血球体積に対する血色素量の割合を示します。

MCVの数値が高いと、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血、過剰飲酒が疑われます。
低いと、鉄欠乏性貧血、慢性炎症にともなう貧血が疑われます。

【白血球(WBC)】
白血球は細菌などから体を守る働きをしています。
数値が高い場合は細菌感染症にかかっているか、炎症や腫瘍の存在が疑われますが、どこの部位で発生しているかは分かりません。
喫煙者は高い数値が出る傾向にあります。
少ない場合は、ウィルス感染症、薬物アレルギー、再生不良性貧血などが疑われます。

3.0以下(異常)、3.1~8.4(基準範囲)、8.5~9.9(要注意)、10.0以上(異常)
(単位 103/μL)

【血小板数(PLT)】
血小板は、出血した場合にその部分に粘着して出血を止める役割を果たしています。

血小板数が高値を示す場合、血小板が過剰に作られることによる血小板増多症、骨髄繊維症、慢性骨髄性白血病、鉄欠乏性貧血、あるいは血小板の異常になる血小板無力症などが疑われます。

血小板数が低値を示す場合は、血小板を作る量が減ることによる再生不良性貧血や急性白血病、肝硬変、血小板の消費が増えることによる特発性血小板減少性紫斑病、膠原病などが疑われます。

9.9以下(異常)、10.0~14.4(要注意)、14.5~32.9(基準範囲)、33.0~39.9(要注意)、40.0以上(異常)
(単位 104/μL)

<感染症系検査>

【CRP】
細菌・ウィルスに感染したり、がんなどにより組織の傷害が起こったり、免疫反応障害などで炎症が発生したときなどに血液中に増加する急性反応物質の1つがCRPです。
細菌・ウィルス感染、炎症、がんの有無を調べます。

0.30以下(基準範囲)、0.31~0.99(要注意)、1.00以上(異常)
(単位 ㎎/dL)

尿検査

【蛋白】
腎臓の傷害により尿蛋白が増えます。腎炎、糖尿病腎症などが考えられます。

基準値:陰性(-)
要注意:(+)(±)
異常:(2+以上)

便

【便潜血】
便に血が混ざっています。
陽性(+)の場合は、大腸ポリープ、大腸がん、痔などが考えられます。

異常なし:2日とも(-)
異常:1日でも(+)

健康診断で悪い数値が出た場合の対策法

こちらの記事で解説しております。
良くない結果があった場合は記事を読んで対策しましょう!

この記事を書いた人

ニアミー