厳しい暑さが続くこの季節、身体はぐったり、吹き出す汗、イライラが募る虫の出現…など夏特有の悩みが次々と広がってきます。
毎年やってくるこの辛い悩みをアロマで解消しませんか?
アロマには、夏を快適にする効果が盛りだくさん!
さあ、生活の中にアロマを取り入れてみましょう。
アロマは夏に乱れがちな自律神経を整える
まず夏に最も起こりやすい自律神経の乱れからお話しましょう。
屋内はクーラーによって冷温、外に出れば猛暑、この温度差が自律神経の乱れを招きます。
強い紫外線も自律神経を疲弊させる要因です。
暑さによって質の良い睡眠がとれていないと、私は大丈夫!と思っていても、実は自律神経に支障がでていたということが多々あります。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は活動的に、副交感神経はリラックスにと拮抗的に働いてバランスを保っています。
ところが、温度差や強い紫外線などの刺激が加わると交感神経が働き続けるため、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
バランスが崩れると、ぐったりする、からだがだるい、日中でも強い眠気に襲われる、集中力が低下した、食欲がない、などの症状が現れます。
そこで、アロマ!です。
どの精油が夏バテ・自律神経の乱れに有効か
リラックス(副交感神経を優位)に導いてくれる精油は、疲弊してしまった自律神経に作用して崩れたバランスを回復します。
なかでもカモミールローマン精油、ネロリ精油、ゼラニウム精油、ローズオットー精油、オレンジスイート精油がお勧めです。
匂いをかいでリラックス
精油が持つ独特の香りは、心身に働きかけて緊張を緩めます。
ディヒューザーやアロマポットなどを用いてお部屋に香りを拡散し、香りを楽しみましょう(芳香浴)。
外出時には、精油を1~2滴垂らしたハンカチやティッシュペーパーを持ち歩けば、いつでも香りを取り入れることができます。
睡眠不足が気になる方は、精油を1滴垂らしたティッシュペーパーを枕元※に置くと、眠りにつきやすくなります。
※香りは、ほんのりと香っている程度なら入眠を促しますが、強すぎると不眠に傾いてしまいます。
香りが強いなと感じたときは、足元に置いてください。
部分浴でダメージ回復
カモミールローマン精油やラベンダー精油を用いた部分浴もお勧めです。
精油の作用に湯温の効果が加わり心身の深い部分まで緊張がほぐれると同時に、紫外線でダメージを受けた皮膚に潤いが蘇ります。
半身浴をおこなうときは、バスタブに38℃前後のぬるめのお湯を張り、精油を1~3滴垂らします。
手浴や足浴をおこなうときには、バケツに熱めの湯を張り、精油を1~3滴垂らし、よくかき混ぜてから、手足を浸けます。
※精油は水に溶けにくいので、予め無水エタノールに混ぜてからお湯に入れると効果的です。
アロマ・ミントの匂いで体感温度を下げる
自律神経のバランスを整えるためには、暑さが原因のストレスを軽減することも大切です。
それを手助けしてくれるのがアロマです。
実はペパーミントの香りは体感温度を下げて夏を快適にしてくれるのです。
近年「ペパーミントの香りを嗅ぐだけで体感温度が4℃下がる」ことが科学的に実証されました。
清涼感のあるこの香りは脳を活性化する働きもあるので、集中力が低下しやすい夏には必須の精油です。
では、ペパーミント精油を用いて、体感温度を下げるための2つの方法をご紹介します。
携帯用アロマスプレーで快適に
1つ目は、携帯用アロマスプレーです。
ビーカーに無水エタノール5mlにペパーミント精油3~5滴を垂らして溶かします。
その後、精製水45mlを加えてよくかき混ぜてスプレー式の容器※に移しかえれば出来上がりです。
※遮光の容器を使用してください。
アロマスプレーは、持ち運びが簡単で、小スペース(自分の周りだけ)に芳香することができるのでとても便利です。
外出時には、携帯用アロマスプレーだけでなく、ペパーミント精油を1滴垂らしたハンカチやティッシュペーパーを持っていれば、電車内などスプレーしにくいところでも香りを取り入れることができ、暑さによる不快感が軽減します。
冷湿布で快適に
2つ目の方法は、冷湿布です。
茹だるような暑さで倦怠感を感じたときには、冷湿布がお勧めです。
洗面器やバケツに冷水を張り、ペパーミント精油を1滴垂らしてよくかき混ぜ、タオルを絞って肩や首筋に当てれば体感温度が下がり、心地よく過ごせます。
※冷湿布は、長時間おこなうと精油が皮膚に反応することがあるので、短時間で切り上げましょう。
アロマで生ごみ・服の臭いをへらす
心身にまつわる夏特有の悩みが解決しても、生ごみや汗がしみついた服の臭いなど身の回りの悩みが尽きません。
でも、アロマがあれば大丈夫!
手間がかからず、簡単に悩みを解消してくれます。
生ゴミの匂い対策
生ごみにはペパーミント精油やレモン精油が対応します。
キッチンペーパーに精油を1滴垂らし、ゴミ箱の底に敷いておくだけで、生ごみから発生する悪臭を抑えることができます。
精油には殺菌作用や抗菌作用が兼ね備わっているので、臭いだけでなく、雑菌の増殖も防いでくれます。
服の匂い対策
服の臭いには、ティートリー精油、ラベンダー精油、ユーカリプタス精油、シダーウッド精油、レモン精油がお勧めです。
洗濯をするときに精油を用いれば、服についたイヤな臭いが解消します。
洗濯機に水が溜まった時点で精油を数滴垂らして洗濯機を回しましょう。
すすぎが始まったときに、再度精油を入れると効果的です。
洗濯機の蓋にロックがかかる場合は、柔軟剤投入口に少量の水を入れ、そこに精油を数滴垂らしてから洗濯機を回します。
洗濯機によって精油を入れるタイミングが違いますが、どの方法でもイヤな臭いが消え、洗いあがった服はアロマの爽やかな香りを放っています。
また、洗濯機に精油を用いることで、衣類だけでなく洗濯槽の除菌ができるので、雑菌が増殖しやすい夏には欠かせない方法です。
※靴下など汚れやニオイが強烈なときには、洗面器に重曹小さじ2杯と精油を2~3滴入れて浸け置き(10分から15分)をしてから洗濯機に入れてください。
アロマで夏の虫除けを
最後は夏にだれもが悩まされるイライラの種、「虫」についてお話します。
実は、虫もアロマで回避できるのです!
シトロネラ、レモングラス、レモンユーカリ、ゼラニウムの香りは、虫を忌避する作用を持っています。
虫の嫌がる香りを用いて、天然の虫除けスプレーを作りましょう。
ビーカーなどに消毒用エタノール10mlを入れ、そこに精油を10滴垂らして溶かします。
精製水50mlを加えて撹拌し、スプレー容器(遮光性)に移せば出来上がりです。
お肌にスプレーをすることで※、虫が近づかなくなります。
※防腐剤フリーなので、1週間を目安に使い切りましょう。小さなお子様は肌がデリケートなので使用は控えてください。
衣類の防虫にもシトロネラやレモングラスなど虫が嫌う香りの精油を用います。
コットンやティッシュペーパーに精油を1滴垂らして、クローゼットや衣装ケースに入れておきます。
香りが弱くなると、防虫効果が弱くなったサインですから、こまめに取り換えましょう。
※精油が、直接衣類についてしまうとシミになりますから、精油を垂らした面が衣類に触れないよう、気を付けて入れてください。
アロマは、心身のバランスをとるだけでなく、掃除・洗濯と日常生活の全てにおいて活躍してくれます。
この機会に精油を使いこなして、暑い夏を乗り切りましょう。