花粉症のメカニズムと対策4選!あなたに合う対策はどれ?

花粉症

春といえば気温も暖かくなり活発になる季節ですが、花粉症の人にとっては毎年ゆううつな季節ですよね。
日本における花粉症(アレルギー性鼻炎等)人口は、およそ40~50%とも言われておりますので、2人に1人ぐらいの割合で毎年つらい思いをしていることになります。
今回の記事では、そんなつらい花粉症対策を紹介していますので参考にしてみてください。
多くの人がアレルギーをもつスギ花粉のシーズンは、3~5月です!
今年もその間頑張って乗り切りましょう!

※今回はドラッグストア店員のズウさんに取材・記事作成協力をして頂きました!

花粉症のメカニズム

花粉

<仕組み>

花粉症(アレルギー)の仕組みを簡単に説明します。
アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が体内に侵入もしくは接触すると、体内の免疫細胞(抗体)がそれを敵とみなして攻撃することによって起こる反応がアレルギー反応です。
アレルギー反応によって鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみ、また人によっては咳や皮膚のかゆみが引き起こされます。

<発症のきっかけ>

花粉症メカニズム

花粉症が発症する引き金とは、コップから水があふれる様子に例えられることもあります。
コップが体・水がアレルギー物質で長年にわたってアレルギー物質を浴び続けると、やがて体の許容範囲を超え花粉症を発症するという考え方です。

また、親からの遺伝という観点では両親、もしくはどちらかが花粉症だと80%以上の確率で子供に遺伝すると言われています。

<年齢別の重軽症度>

大人の花粉症は世代が高いほど「軽症」が増加、「重症」の人ほど発症年齢が早い傾向があるようです。ロート製薬の調査(2017年)によると、

20代の「軽症」30.1%「中等症」49.3%「重症・最重症」16.4%に対して
60代以上では「軽症」61.1%「中等症」31.9%「重症・最重症」6.9%

「年齢を重ねるにつれて楽になってきたと感じる」と回答した人は、全体19.6%に対して60代以上では26.4%となりました。
また、花粉症を発症した人は「重症・最重症」の人ほど早くから発症しているという結果を発表しています。
こうした背景には免疫系の衰え・環境の変化・食生活の変化などが関係していると考えられるようです。

ではここからは自分でできる主な対策をご紹介していきます。

①食生活を変えてみる

日本人は食の欧米化に伴って、花粉症患者も増えています。
そのなかでも特に重要なのは脂肪酸!
脂肪酸には様々な種類があるのですが、ここではアレルギーに関係するものを紹介していきます。

脂肪酸の種類

<オメガ6系>
オメガ6と呼ばれる脂肪酸は、人の体内でつくることができない必須脂肪酸のひとつです。
こちらはアレルギー反応を抑えるにあたって摂取を減らさないといけない方の油
オメガ6脂肪酸は主に牛豚肉、卵、バターなどの加工食品や、サラダ油、キャノーラ油、ごま油などに多く含まれています。

特に日本人のリノール酸の摂取量は世界でもトップクラスに多く、基準の約6倍となっておりアレルギー体質まっしぐらです。
オメガ6系の油を過剰に摂取すると炎症やアレルギーが起こりやすくなってしまいます
花粉症や喘息を促進する他、がん、動脈硬化、脳血栓などのリスクを高めてしまう油もあります。
まずはジャンクフードやスナック菓子を食べる量を減らすことから始めましょう!

<オメガ3系>
次はオメガ3系と呼ばれる脂肪酸です。
こちらはオメガ6系と反対に、アレルギー対策として摂取することが推奨されています。
花粉アレルギーにはEPA・DHAという栄養素をとることが改善策として有名です。
α-リノレン酸は、体内でEPAやDHAに変換されます

オメガ3系の油それらが含まれているので、花粉症のアレルギーを抑制する効果があります。
オメガ3系の代表的な食品には、青魚(EPA・DHA)、シソやえごま、亜麻仁油(α‐リノレン酸)があります。

ちなみにα-リノレン酸は、体内でEPAやDHAに変換されます。
ただしα‐リノレン酸は体内でEPA・DHAへの変化効率が10~15%と悪く、熱にも弱いので継続的に効率よく摂取するにはあまり向いていないかもしれません。

EPA・DHAを多く含む魚は、サバやイワシが最も多いです。ただ、毎日魚を焼いたり、刺身を買ってくるのは正直現実的ではないですよね。
1番続けやすく効率的な摂取法はサバ缶などの缶詰です。
1日の理想のEPA・DHA摂取量は合計で1000mgと言われていますが、サバ缶(可食部100gあたり)はEPA 1300mg、DHA 930mgとダントツのコスパで、保存もきくという優等生です。
そのまま食べてもよいですが、調理の幅が広がれば、自然と日常に取り入れることができるでしょう!

花粉症対策の食事で意識するポイントは、
”オメガ6系の油の摂取量を減らし、オメガ3系の油の摂取量を増やす”
ということです。ただし、重要なのは両者のバランスで、
オメガ3系 1:1~4 オメガ6系  が理想ですが、
オメガ3系 1:16  オメガ6系  が一般的な現状となっています。

②腸内環境を整える

腸内環境

実は免疫細胞の60~70%が腸に存在しています
アレルギーは免疫の誤作動ですから、腸内環境を整えることで免疫細胞の”暴走”を抑えることができます。
では腸内環境を整えるために、摂取したほうが良いものをご紹介していきます!

<食物繊維>
水溶性食物繊維は善玉菌のエサになります。
日本人の食事摂取基準による1日の食物繊維摂取目標量は、
男性20g以上 女性18g以上ですが、平均摂取量は14.4gとなっていてやはり足りていません

腸内細菌は約1000種類存在していますが、中でも免疫の誤作動を抑制するのに大きく関与している腸内細菌”クロストリジウム属細菌”、これが水溶性食物繊維をエサにしています。

たかが食物繊維と侮ることなかれ、日常的に意識して食物繊維を多く含む食品を摂取していきましょう!
ただし摂取しすぎるとお腹が緩くなってしまうので、目安は守りましょうね。

<発酵食品>
発酵食品は、乳酸菌を多く含むヨーグルトや、納豆やみそ汁
などがそれにあたり、腸内環境を整える効果が期待できます。ヨーグルト製品は様々な種類があり、用途に合ったものや体質に合ったものを見つけることが、腸活の第1歩といえますね。
また、乳製品が苦手な人には整腸剤を活用するという手もあります。
乳酸菌のみを配合したものから、加えて納豆菌やお腹の張りを沈めてくれる成分が配合された商品など色々ありますので、興味がある方はドラッグストアなどで見てみてみましょう!

③健康食品を取り入れる

食事だけでは十分に対策するのはなかなか難しい人も多いと思いますので、ここでは食物繊維や乳酸菌、EPA・DHAのほかに花粉症対策におすすめの健康食品をご紹介します。

青みかん

<青ミカン・ジャバラ>
柑橘類にはヘスペリジン(ビタミンP)やナリルチンといったポリフェノールが多く含まれており、これらには抗アレルギー作用があることが分かっています。
また薬のように副作用もなく対象年齢も広くなるので、安心して服用することができます(柑橘アレルギーの方は不可)
ミカンやジャバラの名産地である和歌山県では、花粉症患者が少ないとも言われており、日常的に摂取することで花粉症を予防できることが実証された例と言えそうですね!

<べにふうき甜茶>
サプリメントを飲むのも忘れそうな人には日頃飲んでいるお茶を変えてみるというのはどうでしょうか?
甜茶とはバラ科の植物で、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などアレルギーの予防・緩和に効果があります。
少し甘み・渋みのあるお茶ですので、紅茶が好きな人にはお口に合うかもしれませんね!
加えて、べにふうきにも抗アレルギー作用があるメチル化カテキンが含まれているのでおすすめです。

④市販薬で対処する

最も即効性があり実感できるのが薬です。
しかし、副作用による眠気や口の渇きが仕事や日常生活に影響を及ぼします。
ここではドラッグストア店員の私が市販の内服薬に絞って、薬の特徴を簡単に説明していきます。

<抗アレルギー薬>
よくCMでやっているアレグラやアレジオンなどがこれに当たります。
詳しい作用秩序は割愛しますが、アレルギー反応の元に対して効き、眠気などが起こりにくいのが特徴です。
ただし花粉が飛び始める1か月ほど前から服用を始め、期間中は飲み続けることが必要です。
また絶対に眠くならないわけではないので、車の運転などされる方は服用できない場合があります。

<抗ヒスタミン薬>
抗アレルギー薬以外の鼻炎薬です。
鼻水・鼻づまり・くしゃみなどの鼻炎症状に対して効きます。
原因がアレルギーでなくても効果を発揮し、効き目はシャープですぐに症状を止めたいときにおすすめです。
ただし、副作用の眠気や口渇も強く出てしまうため、服用し続けるのはお勧めできません
錠剤やカプセルの他に水なしで飲めるフィルムタイプなども発売されているので、いざというときに活用するのがよさそうですね。

<漢方薬>
花粉症で1番使いやすい漢方薬には小青竜湯があります。
さらさらとした透明な鼻水が止まらない、くしゃみが止まらないなどの症状に効果を発揮します。
さらに体を温め、抗アレルギー作用もあるので花粉症の方にうってつけです。
しかも服用しても眠くなることがないのがうれしい特徴です。
漢方薬は敷居が高そうに感じる方もいるかもしれませんが、小青竜湯はとてもオーソドックスな漢方なので眠気などが気になる人は1度試してみてください!

⑤とにかく花粉を体内に入れない

花粉が身体に入らなければアレルギーも発症しないので、物理的に取り込まないようにする対策も必要です。

・マスクをする(鼻までしっかりおおう)
・花粉症を防ぐ専用メガネを使う(普通のメガネでも多少の効果はあり)
・家に入る前に玄関で衣服から花粉をはたき落とす
・空気清浄機を使う

まとめ

以上対策4パターンをご紹介しましたがいかがだったでしょうか?
薬は便利ですが、副作用の他に飲み続けることで少なからず身体に負担がかかります。
しかし、いきなり生活習慣を変えることも難しいですよね。花粉症は発症すると、完治はなかなか難しいので、それと向き合いながら自分に合った続けることができる対策を見つけることが大事です!

この記事を書いた人

ニアミー