【基礎知識】マッサージの成り立ち

マッサージ

今ではマッサージは日常の中で当たり前のような存在となっています。
マッサージといっても、あん摩、リフレクソロジー、整体、揉みほぐしなど色々な名称で呼ばれているのでわかりにくいですよね。
そもそもマッサージってどういう意味だろう?と思われる方もいらっしゃると思います。
このマッサージとは一体どうやって生まれたのでしょうか?

マッサージの歴史

今回はマッサージの歴史について紹介していきたいと思います!

マッサージとはどういう意味?

マッサージとは本来医学用語で、単語を使用できるのは医療従事者や国家資格保持者に限られています。
あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、はり師、鍼灸師などが上記の候補者になります。
なのでリラクゼーション店などのお店ではマッサージの単語を出来るだけ使わず、ほぐし、指圧、リラクゼーションの言葉を使うようにしているのです。
基本的には呼び方が違うだけで内容自体に大きな違いはないと言われています。

マッサージの種類

マッサージは大まかに分けて、按摩、マッサージ、指圧の3種類に分類されます。

按摩(あんま)

あんま

按摩の名前は按の押さえる、摩の撫でるを意味しています。
施術の特徴は衣服の上から心臓に近い場所から遠い場所の順番で行います。
筋肉のコリを取り除き、筋肉の血液循環を良くして新陳代謝を活性化させる効果があります。
古い時代では按摩は視覚障碍者の方がする職業のイメージがありますが、最初はそうではありませんでした。
詳しくは後術にて説明していきます。

マッサージ

マッサージ

マッサージの名前はアラビア語のMass(押す)とギリシャ語のSso(捏ねる)が由来です。
施術の特徴は直接地肌から心臓に遠い場所から近い場所の順番で行います。
筋肉を和らげ、血液リンパの循環を改善させる効果があります。

指圧

指圧

指圧の名前はそのままで指で圧を掛けるという意味です。
施術の特徴は衣服の上から指や手を使い、体の一定部位を押すことです。
血液やリンパの流れをよくする効果があります。

マッサージの発祥と歴史

続きまして3種類の発祥と歴史について説明していきます。

①按摩

按摩の発祥は中国で、最古の医学書皇帝内径にもその名称が記されていたそうです。
そして日本には6世紀になってから輸入されることになりました。
按摩はまだ目の見えない人がする職業というイメージは、ありませんでした。
按摩がそういうイメージを持つようになったのは、江戸時代に入ってからだと言われています。
江戸時代に入り全盲であり日本鍼灸の祖とされている杉山和一氏が、鍼の施術法の1つである管鍼法を編み出しました。
また按摩技術を習得する為の、世界初の視覚障碍者教育施設とされる杉山流鍼治導引稽古所を開設しました。
それをきっかけに、江戸時代以後は視覚障碍者の職業として確立されました。
また日本だけではなく、明治時代に入った頃には西洋式の医療制度が導入され、民間療法になってからも、盲学校の職業教育に取り入れられるまでになりました。
その後明治維新とともに東洋医学の学説に置き換えられ、ヨーロッパのマッサージと統合されて、あん摩として現在に至ります。

マッサージ

マッサージの発祥は、西洋と言われており、紀元4世紀頃、ギリシャの医師ヒポクラテスも「医師たるもの医術についての学理とともに、マッサージを習得しなければならない」とマッサージについて言述したと言われています。
しかしその時点では医療行為としてはまだ広まっておらず、本格的に広まり出したのは16世紀になってからです。
フランスの医師アンブロワーズ・パレがマッサージについて研究し、フランス中にマッサージの必要性を主張することによってマッサージが医療法として段々広まることになります。
日本にマッサージが伝わったのは明治時代になってからで、陸軍の軍医がフランスでマッサージの技術と理論を日本に持ち帰ったことから、日本に医療マッサージとして導入されるようになりました。

指圧

指圧は日本の発祥で1912年に浪越徳次郎氏によって、現在の指圧が確立されたと言われています。
ある日徳次郎の母が旅の疲れにより体中に痛みを感じますが、当時のことなのでまだ原因が解明されていませんでした。
そこで少年だった徳次郎は母の体を撫でたり触ったりして、母を必死に看病します。
そして次第に触っていくうちに体の硬い部分に気づき、その部分を指で押すことによって、母の容態が良くなっていきました。
その後も徳次郎少年は凝りに合わせて押し方を工夫することで、母の体は完全に回復しました。
この時の経験を元に研究し続けた結果、完成したのが現在の指圧療法だと言われています。

時事系列まとめ
1799年 按摩が日本に広まる。
1887年 ヨーロッパのマッサージが日本に広まる。
1912年 浪越徳次郎氏によって指圧の原型が生まれる。

終わりに

以上がマッサージの歴史になります。
医療や癒しなど色んな用途で行われていますが、実はこんなに奥が深いものなのです。
こういった歴史を知る事でまた違った観点からマッサージというものを見つめる事が出来るかもしれませんね!

この記事を書いた人

ニアミー