冬になると、手足の先が冷たくなり、スマホやパソコンの入力作業に困ってしまうという方が多くなるのではないでしょうか?
体が冷えると、脳は手足の先の血管を収縮させて、その分脳や内臓など生命維持に重要な器官に血液を回して寒さによる機能低下を塞ぎます。
また手足の血管の収縮は体温の放出を防ぐため、寒くなると手がかじかむことになります。
今回はそんな細かい作業ができなくなってしまう、手の冷えについてマッサージや温暖グッズで暖める方法をお伝えしていきます。
手指ぽかぽかストレッチ集
手指のかじかみは、血行不足や寒さによる血管収縮が原因です。
座りっぱなしのデスクワークが続くと、肩や首が固まってがちがちになりがちです。
仕事の合間にほんのちょっとのストレッチをすることで、血流が促されて、肩のこわばりが解けると共に、指先がぽかぽかしてきます。
手指のストレッチと共に肩のストレッチも紹介します。
・手首と指をほぐす
① 背筋を伸ばし、胸の前で合掌し胸に親指をつけて、肘を張ります。
② 親指は体につけたままで、ゆっくりと手を下に下げていきます。手のひらは自然に離れていきますが、両手の指は、つけたままにします。
③ 元の位置に戻し、再び同じ動作を繰り返します。
・手のぐーぱーを繰り返す
① 親指を包むこみながら、ぎゅっと握ります。
② 手指を反らすように力を入れて開きます。
③ ①②を繰り返します。
・大きく伸びをする
・肩を回す
・肘の曲げ伸ばしをする
・肩のストレッチ、肩こりと手指の血行改善
① 椅子に腰かけたままで、手は太ももに置きます。
② 鼻から息を吸いながら、手を握り、肩をぐっと押し上げます。
③ 口から息を吐きながら、手を開いて、肩をすとんと落とします。
④ 3回繰り返します。
・肩のストレッチ、肩こりと手指の血行改善2
① 椅子に座り両肘を鼻から息を吸いながら、手を握り、肘を張りながら胸の前で握りこぶしを合わせます。
② 肘を後ろに引き、肩甲骨を寄せます。
③ 口から息を吐きながら、手を前に突き出し、手指を力を込めてしっかり伸ばして開きます。5秒間伸ばした状態をキープしたら、力を緩めます。
④ 3回繰り返します。
ツボ押しで手の血行をよくし暖める
体には様々なツボがありますが、手の血行をよくしてくれるツボもあります。
ツボ押しによって手のかじかみを解消する方法をご紹介します。
・陽池(ようち)
手を反らしたときにできる横じわの真ん中から少し小指よりの場所です。
薬指と中指の骨の交わるあたりにあるへこんだ場所がツボで、左右両方にあります。
反対の手で、手を挟むように持ち、親指で押します。
爪を立てず、押すのが難しい場合は小さい円を描くようにしましょう。
・老宮(ろうきゅう)
手を握ったときに中指と薬指の先端の間にあたる部分です。
反対の手の親指で5秒ほど押します。
血行がよくなりリラックスして、ストレスの緩和の効果もあります。
手の血行だけではなく、上半身の血行も改善してくれるので、首や肩のこりにも効果的です。
手を温めるおすすめ便利グッズ
・ハンドウォーマー、USB接続ヒーター付き手袋
指ナシ手袋が、アルパカの毛など高級素材のものや、USB接続のヒーター内蔵のものまで、500円台から2000円ほどの指ナシ手袋が複数ヒットします。
外でも使えるおしゃれな色のものや、丸洗いできるものなど用途や予算に合わせて選べます。
・ホットマウスパッド
手首から先をすっぽりくるむUSB接続で加熱できるマウスパッドです。
・電気カイロ
充電式なので既存の使い捨てカイロと比べてとってもエコ。
発熱もすぐに、気温が低くても暖かくなるすぐれものです。
貼るカイロを使う場合の注意点
冷えてこわばった手指を温めるには、使い捨てカイロはとても重宝します。
でもちょっと待ってください。実はカイロを貼る場所にはコツがあるんです。
手足を温めると脳は、手足はもう大丈夫だと思い、脳などに血流を回してしまうため、さらに手足の先は血流が滞ることになります。
逆に、腰やお腹を温めると、脳は胴体部分の心配をしなくてもよくなるために、
手足への血流をふやしてくれるようになるのです。
暖めると効果的な体の部位とは?
・丹田(たんでん)
脳が体の中で一番体温を下げたくない場所、「内臓」を温めます。
ヘソの下の「丹田」は、体の気が集まる場所で、このツボを温めることで血液が体全体に回り末端の手足まで温まります。
・「命門(めいもん)と腎愈(じんゆ)」
重要な神経や血管が集まる腰を温めることで、上半身も下半身も一気にぽかぽかになります。
腰の少し下の、お尻と腰の間のへこみが「命門(めいもん)」というツボです。その両脇の「腎愈(じんゆ)」を同時に温めるようにカイロを張ることで体全体をじんわり温めてくれます。
この2か所を順番に、もしくは同時に温めることで、手にカイロを握るよりも効率よく温めることができます。
カイロ等を使用するときに注意すること
みぞおちの上などに貼って動くと汗をかきやすいので、かえって冷えてしまう場合があります。みぞおちなどに限らず、汗をかいたらすぐはずしましょう。
心臓付近は血液を体に送り出す部分なので、温めすぎると負担がかかり、痛みや吐き気が起きる場合があります。
頭部や脇の下は放熱箇所なので、そこを暖めてしまうと熱がこもりやすくなり、発熱する恐れもあります。
これらの場所は暖めるのをさけましょう。
低温やけどに注意
直接肌にカイロを貼ったり、就寝時に貼ったまま寝てしまうと低温やけどを起こすことがあります。
人の肌が損傷する時間と温度は、60℃で1分間、50℃で3分間、42℃で6時間と言われています。
低温やけどは、長い時間かけて皮膚に熱が伝わっておきるために、放熱してくれる血管が少ない皮下組織では損傷がひどくなり、皮膚の色が変わってしまうこともあります。
低温やけどを起こしたときは、高温やけどよりも水泡ができる場合が多いので、水泡はつぶさないよう清潔を保ち、水道水などで20分ほど冷やし、損傷がひどい場合を医師の診察を受けましょう。
やけどの深さが大きいなど場合によっては、損傷部位を除去するなど大ごとになる場合があります。
熱すぎないと感じても素肌に直接の使用や、長時間の使用は避けましょう。
高齢者や糖尿病の方は熱さを感じにくいため特に注意が必要です。
まとめ
最近はエコ重視で、冬場のエアコン設定温度も低めになっているオフィスも多いと思います。
男性が上司の場合、女性よりも筋肉量が多く発熱量が多いので、手足の冷えによる効率低下などは、理解してもらえない場合が多いです。
仕事の合間のほんのちょっとしたストレッチ、自身で揃えられるパソコン周りの便利グッズなど、冬場の対策はご紹介した通り沢山あります。
我慢せず、大いに活用して、快適に過ごしてください。